開業形態の基礎知識 ③ 【 医療ビル、医療モールでの開業の長所と短所 】
今日、医療ビルや医療モールでの開業が人気です。
医院・クリニックの新規開業の1,2割を占めているといわれています。
たしかに、医療ビルや医療モールでの新規開業は人気ですが、当然その開業については、
メリットとデメリットがあります。
【 メリット 】
1、複数の診療所が集まることによる集患面での相乗効果が得られる。
2、他入居医院との診診連携が取りやすいため、専門性特化がしやすい。
3、診療科目ニーズのある地域であれば、駅から遠くても集患が見込める。
4、単独開業に比べて自院の認知の浸透が早いため、比較的集患が楽。
5、調剤薬局が併設されていることが多い。
(近年は薬剤の在庫管理にかかるコストを削減するため、院外処方が主流となっている)
6、敷地内に駐車場が完備されていることが多く、患者の利便性が高い。
【 デメリット 】
1、医療機関と物販店、飲食店(酒を提供する飲食店)など他業種混在の場合、クリーンなイメージを損なう場合があり、患者がマイナスのイメージを持つ可能性がある。
2、開業医間の関係がうまくいかなかった場合(共有部分の費用按分など)、対処に困難が伴う。
3、他入居医院の悪い評判の影響を受ける場合がある(受付、待合室など共有している場合など)。
4、テナントがすべて埋まらず1ヵ所でも空いていると、それだけでも患者がマイナスのイメージを持つ場合がある。
5、開業準備の際、内装業者など各種業者が指定されている場合がある。
6、初期・運営コストが比較的高い場合がある。
(1) 内装や備品が全て揃っていて開業するケースの際に、自身で準備するよりもコストが高くなる場合がある。
(2) 一般のビルテナントよりも家賃が高いケースもある。
このように、医療ビルや医療モールでの開業にはメリット・デメリットがあるので、一概にいい悪いの判断はつけられません。したがって個々のケースを慎重に見極める必要があります。 そして、その際のポイントは次の点です。
① ビルの運営管理者が、その医療ビル・医療モールの運営に正しい理念や、強い意欲をもっているかどうか。 ② その医療ビル医療モールの診療圏が、適正か。(換言すれば診療圏調査が的確になされているかどうか。) |
この2点が満たされているかどうかが、その医療ビル、医療モールの成功の条件になってきます。
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「 開業場所研究会 」 運営会社
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