【 開業準備における物件選定のポイント② 】
医院、クリニックの開業場所(物件)の選定は、単なる勘で決める作業ではありません! 至って科学的な
検証を伴う作業です。 後は、実証的な作業でもあります。 したがって、開業候補場所(物件)が出てきたら、
次のようなデータを収集して検討する必要があります。
まず、「診療圏を設定する」ことです。 この設定は意外に難しいですが、やや狭い範囲で設定して検討するのが無難でしょう。 当然、開業する科目により診療圏の広さが違ってきます。 一般的には、内科の場合、大都市の住宅地では物件を中心に半径500m、地方都市では1kmにするのが適切でしょう。 整形外科では、それより広く1km、そして1.5kmにします。 より精密には現地を歩き、診療圏を精密に設定するべきです。 いわゆる診療圏の分断事由等を加味します。
診療圏を設定したら、次はその診療圏内の各種データを集めます。 まず、「人口関係(男女別人口、世帯数、
5歳刻みの人口数、昼夜間人口)」、「競合関係(競合施設の数、内容)、「その他(産業活動指数、消費指数、
文化指数、くらし指数、各種開発計画等)」です。 これらのデータを分析し評価します。
その他に必須のデータが、診療圏内の住民からの「聞き取り調査」です。 手間がかかり大変な作業ですが、
是非やるべきです。 この調査をやっている会社は、少数派ですが、ある意味で一番重要なデータだと考えられます。 何故なら、このデータにより診療圏内の生の実態が理解でき、各種の表に出ていない情報が得られるからです。 これらのデータは貴重です。 私は、これでこの診療圏での開業の当否がほぼ判断できます。
ともかく以上のデータを集め総合的な判断をする必要があります。 最近多いのが、パソコンソフトを使った診療圏調査ですが、否定はしませんが、それのみに頼っては良い結果を得ることはできないでしょう。
診療圏調査は、各種の新しいデータを集め、現地を歩き、住民の声を聴き慎重に判断すべきです。
【 開業準備における物件選定のポイント① -開業の基本構想を明確にし、それをベースにして場所選定をする- 】
【 開業準備における物件選定のポイント③ -物件のハード面及びソフト面のチェックを慎重に行う- 】
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